映画に感謝を捧ぐ! 「ディープエンド・オブ・オーシャン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウール・グロスバード監督の  「ディープエンド・オブ・オーシャン」に感謝を捧げようと思います。  ジャクソン・ミチャードの小説「青く深く沈んで」を  もとにして作られた本作は  犯罪映画の裏側を人情劇風に描いた異色作であります。  「謎解き&犯人捜し」を重んじる犯罪映画において軽視されがちな  犯罪の間接被害・被害者の心情に重きを置いたストーリーと  感動誘発的盛り上げ&映像技を抑制した演出&演技が  一体となる光景は  私に、犯罪がもたらす「精神的ダメージ」に目を向けることの大切さと  「親子関係」の神秘性を目の当たりにする機会をもたらしました。  (娯楽的クライマックスに背を向けた静かな幕切れが  「ハリウッド流ハッピー・エンド」とは一線を画した  渋みのある感動をもたらしている点も見逃せません。)  まさに「ホームドラマ系犯罪&家族論」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  「事件解決=ハッピー・エンド」という図式に対する警鐘と  犯罪が周囲に与える「見えざる傷」に対する思いに溢れた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。