映画に感謝を捧ぐ! 「マッド・スピード」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマーク・アトキンス監督の「マッド・スピード」に  感謝を捧げようと思います。  荒廃した未来世界を旅する  男女の運命を描いた本作は    懐かしさと豪快さに溢れた  近未来系モンスター映画であります。  1960~2010年代のSF・ホラー・アクション・サスペンスを  総動員したかのようなストーリー・演出・キャラクター・メカを  状況説明を抑制し、論理性の枠を超越した形で  組み合わせることによって  便乗商品的でありながらも意外性に満ちた  物語を創造しようという試みは  私に「娯楽映画史」と映画的省力化技術の  一端に触れる機会をもたらしました。  (アクション映画的軽やかさで幕を閉じることによって  救いのない状況を「ハッピー・エンド風」にするという  手法を導入している点も見逃せません。)  まさに「継ぎ接ぎ系娯楽映画」界屈指の  珍作であると言えるでしょう。  便乗商品映画界の雄「アサイラム」の技術力&精神力  娯楽映画の伝統・2010年代の空気が交わることによって  生を受けた「突然変異的暇つぶし作品」である本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。