映画に感謝を捧ぐ! 「痛ましい恋」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョージ・ニコルズ監督の「痛ましい恋」に
感謝を捧げようと思います。
C・チャップリン扮する主人公の奇妙な恋路を描いた本作は
陽気にしてダーティーなサイレント喜劇であります。
純情且つ無器用な男と純真すぎる令嬢の恋模様を
舞台芸、ドタバタ喜劇風味、ブラック・ユーモアを
融合させながら描くという試みは
私に、明るいユーモアと意地悪な笑いが
平和的共存を果たす光景と
純愛の美しさ&危うさを喜劇的に表現する技法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(周辺人物のイメージを一気に逆転させる幕切れが
サスペンス映画とは異なる「どんでん返し」の快感を
もたらしている点も見逃せません。)
まさに「活劇系恋愛喜劇」の軽快なる強豪作であると言えるでしょう。
苦味と甘味をバランス良く配合し
最小限度の人間関係で勝負する精神が
他の恋愛喜劇とは異なるスリムな輝きを放つ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。