映画に感謝を捧ぐ! 「鉄の爪(1951年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は安達伸生監督の「鉄の爪(1951年版)」に  感謝を捧げようと思います。  謎のモンスターが引き起こす連続殺人事件を  取り巻く人々の運命を描いた本作は  東西の精神文化が融合した和製モンスター映画であります。  キリスト教・アクション的暴力・サスペンス技法  ホラー的モンスター・日本的情緒  お色気&挿入曲が一堂に会して  「戦争」がもたらす悲劇の一端を写し出そうという試みは  私に「見世物精神・教訓性・歴史資料要素」が  平和的共存を果たす光景の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (悲劇的でありながらも救いを感じさせる幕切れが  残酷さに特化したホラー映画とは異なる味わい深さを感じさせる点も  見逃せません。)  まさに「宗教系怪談」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  「狼男」・「キング・コング」の流れを汲みつつ  理性と本能の闘いを描くことに挑んだ作品の一つである本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。