映画に感謝を捧ぐ! 「アマゾン・クルーズ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はダルシアナ・モレノ・イゼル監督の「アマゾン・クルーズ」に
感謝を捧げようと思います。
ガン治療薬の材料を求めてブラジルを訪れた
研究員一行の運命を描いた本作は
疑似実録映画の強みを生かした世紀の珍作であります。
他系統作品においては「手抜き&便乗的」と見なされがちな
緩慢な物語・不鮮明な映像・過度に記号的なキャラクター
強引な社会派要素の挿入が
実録的説得力を高める素材として機能する現象は
私に、映画作りにおける「地形効果」の重要性と
社会問題の娯楽的活用法の一端に
触れる機会をもたらしました。
(ホラー映画の定番を放送事故的に表現した
商業戦術的な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「反娯楽系冒険活劇」史上屈指の
突然変異的作品であると言えるでしょう。
アメリカの映画ビジネス戦略・ブラジルの文化&自然
病気と医療の複雑な関係が融合することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。