映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ターゲット 陰謀のスプレマシー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフィリップ・シュテルツェル監督の
「ザ・ターゲット 陰謀のスプレマシー」に感謝を捧げようと思います。
何者かの陰謀によって追われる身となった
元スパイと娘の運命を描いた本作は
軽さの中に「宿命の重み」を秘めた巻き込まれ映画であります。
冴えない父親だった主人公が「危機」によって活性化し
娘との関係を修復していく姿を
アクション映画的にありがちな状況を出たとこ勝負的に並べた
ストーリー&アクション・シーン特有の「既視感&突っ込み所」を
スピード感によって隠蔽する手法で描くことによって
スパイ活劇&軽量アクション映画の宿命を鮮明化するという試みは
私に、暇つぶし規模のスリル&サスペンスを維持しつつ
鑑賞者にメッセージを送る技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(アクション映画界を覆う「爆発&ハッピー・エンド信仰」への
忠誠を示した決着→幕切れが
歴史における「勝てば官軍主義&現状維持至上主義」を
象徴している点も見逃せません。)
まさに「脳の休憩地点」としてのアクション映画を
象徴する作品であると言えるでしょう。
「人間関係&陰謀の内容を100%理解しなくても楽しめる」作劇法
「鑑賞後すぐ忘却可能な軽い内容にすることによって(トラウマ化)を防ぐ」サービス精神
「ボーン&96時間シリーズ」の特性を有効活用する知略によって
生を受けた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。