映画に感謝を捧ぐ! 「セクター4」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はオリヴィエ・グラナー監督の「セクター4」に
感謝を捧げようと思います。
アフガニスタンの危険地帯「セクター4」に潜入した
契約兵部隊の運命を描いた本作は
「軽量戦争映画」史上屈指の珍作であります。
潜入&救出劇の方程式に即した設定を
バランスを配慮することなく
各種娯楽要素を詰め込んだストーリーと
不明瞭なる戦闘描写によって
難解にして緩慢な作品に仕立て上げるという大胆な挑戦は
私に、王道を合体させることによって「怪作」が生成される現象
娯楽映画における「見せ所選び」の重要性
戦場における「個人的道義心」の儚さを
暇つぶし映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドによって「伏線」を隠蔽する幕切れが
歴史に対する痛烈な皮肉となっている点も見逃せません。)
まさに「積載過多映画」を象徴する一作であると言えるでしょう。
アメリカ礼賛と社会派の間に立つ娯楽作が
銃撃戦・肉弾戦・ホームドラマ・陰謀劇を網羅することによって
コメディとは異なる「笑い所」と
娯楽映画論の入り交じった戦争映画へと
変異する光景に驚かされる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。