映画に感謝を捧ぐ! 「キートンの麦酒王」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエドワード・セジウィック監督の「キートンの麦酒王」に
感謝を捧げようと思います。
禁酒法時代のアメリカで密造酒作りに挑む
男たちがもたらす珍騒動を描いた本作は
伝統文化と時代について考えさせられる作品であります。
禁酒法と飲酒への欲求のせめぎ合いと
トーキー技法とサイレント技法のせめぎ合いが
映画内で融合していく光景は
私に「世界の空気に翻弄される人間の思い」を
ユーモラスに表現する技法の一端と
話術による笑いと体術による笑いの
バランスを保つことの難しさを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「怪我の功名系ハッピー・エンドに属しながらも
ある種の意地悪さを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「犯罪系ドタバタ喜劇」史上屈指の
ブラック・ユーモア性と陽気さを兼ね備えた
珍品であると言えるでしょう。
犯罪と明るいユーモア
B・キートンの技とトーキー映画の共存を図るという
難題に挑む人々に心打たれる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。