映画に感謝を捧ぐ! 「ウォー・オブ・ザ・ワールド(2014年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジェームズ・コンデリク監督の  「ウォー・オブ・ザ・ワールド(2014年版)」に感謝を捧げようと思います。  地球に迫る小惑星の破壊に向かった  米軍特殊部隊と科学者の運命を描いた本作は  既視感・気まぐれ・軽量CGの嵐が襲い来る  便乗商品映画界のヒーロー「アサイラム」史上屈指の珍作であります。  1990年代を彩るSF大作「ディープ・インパクトインデペンデンス・デイ」に  様々なSG要素を加えることによって生を受けた  ストーリー・演出・キャラクター・メカが  王道の枠を気にすることなく暴れ回ることによって  奇想天外なる地球侵略SFが生成されていく光景は  私に「アメリカの独善&軍事力侵攻」・「テクノロジー依存による物理力の弱体化」  「台詞によるスケール感の生成」・「主人公重視主義の功罪」  「歴史に学ぶことの大切さ」を  アサイラム的に表現する技法の一端に触れる機会をもたらしました。  (どんでん返しサスペンスとは異なる「驚き」に満ちた  登場人物の最期&幕切れが  米ドラマシリーズの暗部を体現している点も見逃せません。)  まさに「アサイラム上級者向け映画」の一翼を担う作品であると  言えるでしょう。  バランス・相性を考慮することなく集められた各種娯楽要素が  時間と共に「ブラック・ユーモア系パロディ」へと変異していく姿に驚かされる本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。