映画に感謝を捧ぐ! 「殺して祈れ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はカルロ・リッツアーニ監督の「殺して祈れ」に
感謝を捧げようと思います。
家族を殺され、牧師の養子となった男
「レキスカント」の運命を描いた本作は
独特のバランス感覚を持ったイタリア西部劇であります。
仇討ち西部劇、道中西部劇、宗教映画
社会派映画、イタリア流サディズム&エロティシズムが
絶妙のバランスで融合する光景は
私に「神秘性と俗物性の平和的共存」と
正義と狂気の近似性を娯楽的に表現する技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「正義の勝利」でありながらも残酷さを感じさせる
決着の付け方となっている点も見逃せません。)
まさに「宗教系イタリア西部劇」の雄と
呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
信仰心とアクション技能を兼ね備えた主人公と
貴族階級ならではの狂気に包まれた敵将が織りなす
交流と対決が
勧善懲悪の図式を越えた文学性と苦味を感じさせる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。