映画に感謝を捧ぐ! 「ホステージ・オブ・エネミーライン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラファエル・ララ監督の「ホステージ・オブ・エネミーライン」に
感謝を捧げようと思います。
1999年のボゴダで発生した誘拐事件を
もとにして作られた本作は
暴力性と癒し要素がせめぎ合う
異色の実話系戦争映画であります。
救出作戦よりも「誘拐犯一派&人質の逃亡&交流」に
重きを置いたストーリーと
アクション・サスペンス・道中劇の技法を使い分ける演出法が
一体となる光景は
私に「戦争の法則&誘拐被害者の心理」を娯楽的に表現する
技法の一形態と
テロ対策映画において隠蔽されがちな要素に
目を向ける精神に触れる機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの形態を取りながらも
「コロンビアの現状」から目を背けない
厳しい幕切れへと着地している点も見逃せません。)
まさに「社会派入り戦争アクション」界の静かなる強豪作であると
言えるでしょう。
「話題作」重視の日本において本作を広める難しさを
象徴するかのような邦題
コロンビア史の暗部・信念と人間性の複雑な関係に
戦慄を禁じ得ない本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。