映画に感謝を捧ぐ! 「恐怖の人体研究所」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はクリス・スパーリング監督の「恐怖の人体研究所」に    感謝を捧げようと思います。  1970年代に行われた超能力研究がもたらした  惨劇を描いた本作は  実話系ムードと見世物性を兼ね備えた  異色のホラー映画であります。  「記録映像」風表現法と俳優・女優陣の「関係者の証言」風演技が  融合する事によって  胡散臭さ&緩慢さに溢れたストーリーに実話的説得力がもたらされていく光景は  私に「奇襲的アイデアによって短所が魅力に転じる現象」  「政治&軍事的狂気」  「調査対象と調査人の関係」についての一考察に  触れる機会をもたらしました。  (淡々とした空気の中に「ホラー映画的不吉さ」を宿す  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「SF入りドキュメンタリー風ホラー」と呼びたくなる  珍作であると言えるでしょう。  超能力映画から怪奇映画へと転じる劇的なストーリー展開を    娯楽的高揚感を一切感じさせることなく写し出す大胆さと  人々の悪魔&政府に対するイメージを有効活用する  戦術性が混ざり合った本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。