映画に感謝を捧ぐ! 「死霊の盆踊り」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はA・C・スティーヴン監督の「死霊の盆踊り」に  感謝を捧げようと思います。  エドワード・D・ウッド・Jr(エド・ウッド)の同名小説?を  もとにして作られた本作は  ビジネス的成功作&賞取り作しか評価されない世界になりつつある  映画界に抗う「勇気ある珍作」であります。  お化け屋敷の香り漂う舞台で繰り広げられる  女優陣のポルノ・ダンス  E・ウッド監督作で名を成した怪優クリスウェルの存在感&熱弁  申し訳程度のストーリー要素が一体となり  独自の映画道を突き進む光景は  私に、手抜き感に満ちあふれた作品が  「謎の快感」を持つ珍味であると認識してしまう現象と  我流を極限まで貫いた人間の放つ滑稽さ&輝きに  遭遇する機会をもたらしました。  (「愛情深きからかい」に心打たれる邦題と  恐怖を煽っているにもかかわらず「無意識のユーモア」を感じさせる  珍妙なる幕切れが  他作品には真似し得ない「本作ならではの味」を  より鮮明な物にしている点も見逃せません。)  まさに「コスプレショー系ホラー・コメディ」の称号にふさわしい  陰の歴史遺産映画であると言えるでしょう。  不遇の監督E・ウッドの思いと  怪しげなる映画人達の融合によって生を受け  映画に関わる人々に笑いとある種の希望を与え続ける本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。