映画に感謝を捧ぐ! 「地獄の戦場」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルイス・マイルストン監督の「地獄の戦場」に
感謝を捧げようと思います。
南太平洋の孤島に設置された
日本軍のロケット砲を発見するよう命じられた
アメリカ海兵隊B中隊の運命を描いた本作は
1930年の映画「西部戦線異状なし」によって
戦争映画系監督となってしまったL・マイルストン監督の
複雑な思いを感じさせる作品の一つであります。
アメリカ礼賛よりも人間模様&心理戦に重きを置いたストーリー
記録映像の有効活用によって予算を抑制しつつ
大作的ムードを醸し出す娯楽的戦術
アメリカ軍目線に徹しながらも
日本軍を「悪役化」を抑えるキャラクター造形が一体となる光景は
私に「戦術」としての文化交流とアメリカ海兵隊に配慮しつつ
戦争の残酷さを描くという「綱渡り的作劇法」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドによって「戦争」の傷を隠蔽するかのような幕切れが
情報戦術の恐ろしさを示している点も見逃せません。)
まさに「精神系戦争映画」の一翼を担う一作であると言えるでしょう。
戦争大作の香り・軽量映画の技・青春映画的ムード
アメリカ人の「日本文化」に対するイメージ
指揮官と兵士の複雑な関係が
特殊なバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。