映画に感謝を捧ぐ! 「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアキ・カウリスマキ監督の「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」に    感謝を捧げようと思います。  ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」をもとにして  1987年に作られた本作は  舞台調とA・カウリスマキ調が融合した陰謀劇であります。  「ハムレット」の世界・権力闘争&愛憎劇・舞台的台詞回し  A・カウリスマキ監督作特有の  「クールな映像&最小限度の台詞で不幸の連鎖を描く」手法が  一堂に会することによって  不気味なまでに静かな「血みどろの闘い」が生成されていく光景は  私に「邪悪さと滑稽さの近似性」と  人体破壊&モンスターとは異なる系統の怪奇恐怖を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (映画史上希に見る「静かなどんでん返し」に彩られた幕切れが  ブラック・ユーモア風味の「妖気」を放っている点も見逃せません。)   まさに「企業系極道映画」の歴史において静かに輝く  強豪作であると言えるでしょう。  時間&文化の壁を越えた「出会い」が生んだ  激しくも冷徹な「復讐の連鎖」と  穏やかにして残酷な「死臭」が覆われた世界に圧倒される本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。