映画に感謝を捧ぐ! 「リンゴ・キッド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はセルジオ・コルブッチ監督の「リンゴ・キッド」に  感謝を捧げようと思います。  賞金稼ぎ「黄金ジョニー」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  王道的でありながらもひねりの利いた  イタリア西部劇であります。  「金」へのこだわりとユーモアに溢れた主人公  生真面目さ故に周囲から浮き上がった保安官  欲望&サディズムの裏に「アメリカ」への怒りを秘めた悪漢  凶暴にして軽やかなストーリー&アクション・シーンが一体となる光景は  私に社会派風味と娯楽的暴力&ユーモアが融合した世界と  欲と人情が交錯するヒーローの醍醐味を満喫する機会をもたらしました。  (正統派西部劇の方程式に即しつつ  主人公のキャラクター性を生かした「決着の付け方」と  なっている点も見逃せません。)  まさに「アクション・コメディ系イタリア西部劇」の  軽やかなる強豪作であると言えるでしょう。  1953年の映画「真昼の決闘」の流れを汲む設定と  S・コルブッチ監督の変化球精神が程よく調和した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。