映画に感謝を捧ぐ! 「ゴーストワールド」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はテリー・ツワイゴフ監督の「ゴーストワールド」に
感謝を捧げようと思います。
ダニエル・クローズの同名漫画を
彼自身と監督の脚色によって映画化した本作は
ユーモアと残酷さ、文学性と大衆性
漫画と実写の魅力が共存する青春映画であります。
コミック風味溢れるキャラクター&舞台
高校卒業によって子供と大人の
境界線に立たされたヒロインの運命を
娯楽的誇張に依存せず、クールに描いたストーリー
時代・ジャンルの枠を越えて集結した挿入曲が一体となる光景は
私に「漫画の実写化」が持つ可能性の奥深さと
現実感とファンタジー風味、ユーモアとシリアス
子供目線と大人目線がバランス良く配合された
ストーリー&演出の醍醐味を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドにも悲劇にも属さない「文学的」な幕切れが
人生の奥深さを体現している点も見逃せません。)
まさに「文学系コミック・ムービー」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
若者心の光と闇、音楽マニア魂、芸術と社会の関係に対する一考察
恋愛悲劇の香りが複雑に絡み合いつつ
静かに進行していく姿が楽しくも苦い本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。