映画に感謝を捧ぐ! 「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はドン・シーゲル監督の「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」に
感謝を捧げようと思います。
ジャック・フィニィの小説「盗まれた街」を
もとにして1956年に作られた本作は
人間味のある恐怖描写に包まれた地球侵略SFであります。
特殊効果&特殊メイクを最小限度に留め
俳優&女優陣の顔演技、映像技、白黒映像ならではの陰影を駆使して
「日常&人間関係が崩壊していく」・「未知の存在に支配されていく」恐怖を
写し出そうという試みは
私に「恐怖を感じさせない侵略行為」の恐怖、感情に対する一考察
映像的インパクトに依存せず、アイデアで勝負するSF映画の醍醐味を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(アメリカ映画特有の「ハッピー・エンド信仰」に従いつつも
絶望感を保とうとする幕切れが
ご都合主義臭を緩和し、現実感を高めている点も見逃せません。)
まさに「精神系地球侵略SF」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
SFとは縁の薄い監督&脚本家ならではの技法によって
「ボディ・スナッチャー」系映画の幕開けを告げると同時に
後年のSF・ホラー映画を導く「道しるべ」となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。