映画に感謝を捧ぐ! 「山口組三代目」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は山下耕作監督の「山口組三代目」に
感謝を捧げようと思います。
田岡一雄氏の著書「山口組三代目 田岡一雄自伝」を
もとにして作られた本作は
日本映画史の分岐点に荒々しくも哀しげに立つ
実話系極道映画であります。
広域暴力団「山口組」の歴史と
東映任侠路線&実録路線の映像技・作劇法・キャスト陣が
一堂に会する光景は
私に日本映画界に訪れた「娯楽映画戦術の変化」
東映における「任侠路線の終焉&実録路線の幕開け」
日本裏社会史の革命期
スター映画的表現法と1970年代精神のせめぎ合いが
娯楽的に写し出される現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(高倉健&菅原文太の未来を
無意識的に暗示している一面と
悲劇的でありながらもクールな幕切れが
本作が示す「時代の転換期」をより鮮明化している点も見逃せません。)
まさに「任侠系極道偉人伝」の雄と呼ぶにふさわしい
静かなる過激作であると言えるでしょう。
歴史大作の香り・軽量アクションの軽やかさ・人情劇の味わい
アイドル映画の華やかさ・「過激さを追求する」東映気質が
激しくも美しく共存する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。