映画に感謝を捧ぐ! 「吸血鬼(1967年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロマン・ポランスキー監督・主演の「吸血鬼(1967年版)」に
感謝を捧げようと思います。
吸血鬼を探し求める教授と助手の運命を描いた本作は
神秘性とユーモアが共存する吸血鬼映画であります。
童話的ヒーローの香りを漂わせながらも緩やかな主人公一行
吸血鬼に優るとも劣らぬ不気味さを放つ舞台&村人達
モンスター系ホラーとコメディが混ざり合ったストーリー&演出が
一体となる光景は
私に、残酷さと滑稽さの近似性と
映画における「映像的存在感」の重要性を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドに向かうと見せかけて
悲劇へと転じる幕切れが
後年のS・テート&R・ポランスキー監督を襲う悲劇を暗示しつつ
1960年代の世界を覆う狂気を写し出している点も見逃せません。
まさに「喜劇系吸血鬼映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
吸血鬼映画の持つ「可能性」を広げると同時に
後年の「ローズマリーの赤ちゃん」に通じる道を切り開いた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。