映画に感謝を捧ぐ! 「シップ・オブ・ノー・リターン グストロフ号の悲劇」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヨゼフ・フィルスマイヤー監督の  「シップ・オブ・ノー・リターン グストロフ号の悲劇」に  感謝を捧げようと思います。   1945年1月に発生した  「ウィルヘルム・グストロフ号沈没事故」を  もとにして作られた本作は    実話系戦争映画屈指の異色作であります。  戦争映画、記録映像、海洋災害映画の手法を融合させた  ストーリー&演出によって  第2次大戦後期のドイツ事情、戦争が民衆に与える影響  軍隊の暗部を写し出すという試みは  私に「映画」の教材的効能と  台詞に依存しない反戦メッセージの一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (教科書的表現法でありながらも  災害時において「モラル」を守ることの難しさと  戦争の理不尽さを思い知らされる  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「海難系戦争映画」史上屈指の  静かなる強豪作であるといえるでしょう。  ドイツ映画ならではの渋味の効いた作風と  自国の暗黒面に向き合う精神力によって生を受けた  実話系戦争映画の一つである本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。