映画に感謝を捧ぐ! 「ランボー3 怒りのアフガン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はピーター・マクドナルド監督の  「ランボー3 怒りのアフガン」に感謝を捧げようと思います。   デヴィッド・マレルの小説「一人だけの軍隊」を  もとにして作られた人気シリーズの3作目となる本作は  豪腕の中に虚しさ&危うさを宿すアクション映画であります。  戦争の暗部を体現する戦士から  政府に利用される「ヒーロー」へと変異してしまったジョン・ランボー  ランボーの純朴さ&過去の傷を利用し  意のままに操る存在という一面が強まったトラウトマン大佐&政府幹部  1980年代のアメリカ映画界を覆う「世界認識」に即した敵軍の交流が  手作り感&お祭り感溢れるアクション・シーン  大作的風格を持った音楽  単純明快なストーリーが融合することによる爽快感を抑制し  苦味&胡散臭さを高めていく現象は  私に、アクション映画&闘いに生きる人間の「呪われた宿命」と  政治的狂気に翻弄される人々の悲劇について  考えさせられる機会をもたらしました。  (勧善懲悪的ハッピー・エンドでありながら  アメリカの傲慢さ&武断主義が  かつての戦友を「敵」に変えたことを象徴する  結末となっている点も見逃せません。)  まさに「娯楽映画と政治&社会との危険な関係」を  象徴する作品の一つであると言えるでしょう。  カロルコ・ピクチャーズの武闘路線と  鑑賞者との蜜月が終わりつつあることを示す  道しるべ的作品でありながらも  CGに依存しない戦闘描写と  主演男優S・スタローンの肉体的説得力によって  アクション映画としての楽しさを感じさせる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。