映画に感謝を捧ぐ! 「エンドレスナイト」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はシドニー・ギリアット監督の「エンドレスナイト」に  感謝を捧げようと思います。  アガサ・クリスティーの小説「終りなき夜に生れつく」を  もとにして作られた本作は  上品なロマンと狂気に彩られたサスペンス映画であります。  ラブストーリー、サスペンス、観光旅行を強引に合体させながらも  上品さを保ち続けるストーリー&演出と  絵画的ムードに溢れた舞台&キャスト陣が一体となる光景は  私に「どんでん返し主義」がもたらす危険要素を  映像&キャラクターの魅力で補う技法と  男性の繊細さ&女性のタフネスを推理小説的に描く手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (全ての謎を解明することなく訪れる幕切れが  「記憶は感情にコントロールされる存在である」という  メッセージを発している点も見逃せません。)  まさに「愛憎系ミステリー映画」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  階級社会と高級志向の暗部が生んだ悲劇を  娯楽性と文学性の均整を保ちながら描くことに挑んだ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。