映画に感謝を捧ぐ! 「恋の痛手」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はチャールズ・チャップリン監督・主演の「恋の痛手」に  感謝を捧げようと思います。 C・チャップリン扮する主人公が  女性とのロマンスを求めて奮闘する姿を描いた本作は  マイナスの情念をユーモラスに描いたサイレント喜劇であります。  性衝動&嫉妬心の赴くままに突き進む主人公を  アクション・コメディとサスペンスを  融合させたかのような表現法によって  笑って許してしまいそうな人物に仕立て上げるという手法は    私に、反優等生的な人格の持ち主を「愛すべき人物」に  変換する妙技と  「恋愛と暴力の平和的共存」の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハーレム的状況からの「鮮やかな逆転劇」が  ブラック・ユーモアと教訓劇が入り交じったかのような  余韻をもたらしている点も見逃せません。)  まさに「戦闘系ラブ・コメディ」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  男性のスケベ心&嫉妬心を  愛情&皮肉のこもった目線によって  後年の恋愛系作品に様々な影響を与えた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。