映画に感謝を捧ぐ! 「海獣の霊を呼ぶ女」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエドワード・L・カーン監督の「海獣の霊を呼ぶ女」に
感謝を捧げようと思います。
催眠術師「ロンバルディ博士」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
王道的でありながらもアイデア性を感じさせる
不思議なモンスター映画であります。
段階的に俗物化&小者化していく「悪の博士」
特撮感満載でありながらも
女性的魅力を感じさせるモンスター造形
残虐性よりも愛憎を重んじたストーリー展開が一体となる光景は
私に「金銭&名誉の毒性」・「愛情の暗黒面」に思いをはせつつ
美しくもユーモラスなモンスターの勇姿を
堪能する機会をもたらしました。
(恋愛悲劇の香り漂う「ロンバルディ博士の最期」と
継続化への意欲に満ちた幕切れが
哀愁と微笑ましさを誘う点も見逃せません。)
まさに「ラブ・ロマンス系モンスター映画」の雄と
呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
庶民的な野望によって海岸を恐怖に陥れる博士と
彼を憎みつつも依存してしまうヒロインに
翻弄されるモンスターに恐れつつも同情してしまう本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。