映画に感謝を捧ぐ! 「三代目襲名」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は小沢茂弘監督の「三代目襲名」に  感謝を捧げようと思います。
三代目襲名 [DVD]
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2016-01-06

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 1973年の映画「山口組三代目」の  続編に当たる本作は  東映極道映画の伝統に則しつつ  史劇力を強化した実話系極道映画であります。  東映実録路線・西部劇・史劇の手法を使い分けながら  第2次大戦期~大戦終了後の日本を覆う「混沌」と  時代の流れと権力の思惑に翻弄され  犠牲となる庶民の姿を描こうという挑戦は  私に極道会の覇者を通じて「歴史の暗部」と  「権力・庶民・極道の複雑な関係」に踏み込む大胆さ  特定の民族を「悪役」として描かなければならない状況にあっても  彼らの思いと向き合うことによって、中立的目線を保とうとする理性  娯楽映画的魅力を保ち続けようとするサービス精神が  絶妙のバランスで共存する光景を  目の当たりにする機会をもたらしました。    (大作的スケール感を感じさせると同時に  本作に関わった人々の「苦難」を感じずにはいられない  複雑な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「庶民派歴史大作」屈指の過激作にして  「娯楽的昭和論」の一翼を担う強豪作であると言えるでしょう。  政治的&国際的に危険な題材を  壮絶な勇気と繊細さを以て描くことによって  戦争の残酷さ・憎悪の連鎖が生み出す恐怖  人種&立場の壁を越えて繋がる「男気」と  不屈の闘志&人情が放つ未来への希望を  世に示した本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。