映画に感謝を捧ぐ! 「野獣暁に死す」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はトニーノ・チェルヴィ監督の「野獣暁に死す」に
感謝を捧げようと思います。
妻の仇を追う男「ビル・カイオワ」と
仲間達の運命を描いた本作は
人種を越えた「魂の絆」に彩られたイタリア西部劇であります。
復讐西部劇の王道、イタリア西部劇ならではの拷問&女性への虐待
和製時代劇文化、ホラー映画風味が融合することによって
凶暴でありながらも情緒のあるストーリー&演出を持った
イタリア西部劇が生成されていく光景は
私に「イタリア的貪欲さ」・「日本映画が世界に与えた影響」の一端と
アクション映画的戦法と怪奇恐怖の秘めたる近似性を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(敵将に扮した仲代達也の「時代劇ムード」を生かした
敵軍作りが成されている点と
サディズムと正義漢の中間に立つかのような「決着」と
なっている点も見逃せません。)
まさに「和洋折衷系イタリア西部劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
任侠路線や「ロールプレイング・ゲーム」の香りを感じさせる
ストーリー展開&キャラクター造形と
西部劇の王道に即しつつ、集団抗争時代劇の特性を取り入れた
アクション・シーンが冴え渡る本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。