映画に感謝を捧ぐ! 「それは外宇宙からやってきた」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャック・アーノルド監督の「それは外宇宙からやってきた」に
感謝を捧げようと想います。
レイ・ブラッドベリの短編小説を
もとにして作られた(とされている)本作は
SF的発想&映像技術と社会性を兼ね備えた異色作であります。
「地球侵略SF」の王道を行くと見せかけて
人間の「排他性」に警鐘を発するストーリーと
最小限度の特殊効果でSF的スリル&サスペンスを
生成する映像が一体となる光景は
私に、「SF的冷戦批判」の一形態
殺人に依存しない恐怖描写の醍醐味
見世物精神と教訓性の平和的共存のあり方を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「人類の勝利」を声高に訴えるハッピー・エンドとは
一味違う感動と重厚感を持った幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「エイリアン系SF映画」史上屈指の穏健派と
呼ぶにふさわしい感動作であると言えるでしょう。
後年のS・スピルバーグ関連作に通じるアイデア性&人情味と
視覚的インパクトに依存しない渋味の利いた特殊効果が冴え渡る本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。