映画に感謝を捧ぐ! 「ナンバー10」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はポール・タンター監督の「ナンバー10」に
感謝を捧げようと思います。
2014年の映画「レベル15」の続編となる本作は
対称的な要素が絶妙のバランスで絡み合う
テロ対策映画であります。
大衆娯楽的暴力&エロと英国的ユーモア&傲慢さ
2010年代的「自己顕示文化」と
1980年代的「ワンマン・アクション」
アクション映画的ご都合主義と現実的な「事後処理&マスコミ対策」が
1本の映画内で融合していく光景は
私にSFとは異なる「タイムスリップ感覚」と
TV的スタイルによって作られた映画の味わいを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(前作&「ミッション・インポッシブルシリーズ」のパロディ的な決着
アメリカ映画的ハッピー・エンドでありながらも
政治家の傲慢を感じさせる苦い幕切れとなっている点も
見逃せません。)
まさに、アメリカ映画的サービス精神・東映的路線主義
イギリス文化の交流が生んだ
「軽量型空間限定アクション」の教科書と
呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
前作のアイデア&キャラクターを巧みに流用して
1本の映画を作り上げる節約精神
前作の集団戦から個人戦へと変更し
空間限定映画の長所を生かす事によって
「2作品同時制作」臭を緩和する知略
政治家&マスコミに対する風刺精神が生んだ本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。