映画に感謝を捧ぐ! 「バーニング」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はトニー・メイラム監督の「バーニング」に  感謝を捧げようと思います。  夏山でのサマー・キャンプに参加した若者たちの  運命を描いた本作は  外見以上の歴史的価値を宿す  脅威の軽量ホラーであります。  安物感、俗物感、悪趣味感満載の作品において  ギロチンバサミへのこだわり、切れ味鋭い残酷描写  「若者&医療現場に潜む狂気と腐敗」に対する警鐘  モンスターの外見を曖昧化する事による「怪奇ムード」の補強  過激且つ能天気なお色気、怪しげな音楽が光り輝く光景は  私に、全ての映画に「歴史的意義」が存在することを教えると同時に  大衆娯楽における「エロ&暴力」&客層を絞ることの大切さを  示してくれました。  (我が国の「ホラー映画宣伝史」において重要な作品であるという点  冒頭の展開を有効活用した決着   軽量ホラー映画の宿命を体現する幕切れも見逃せません。)  まさに「量産型ホラー」の一つから「歴史遺産系ホラー」の領域に  到達した偉大なる怪作であると言えるでしょう。  1980年代ホラー映画の方程式に即したストーリー&映像の中で  1990年以降のアメリカ映画史を彩るH&Bワインスタイン  ホラー系特殊メイクの雄T・サヴィーニ  「ヒドゥン」の監督として名を成したJ・ショルダー等の手腕が冴え渡る本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。