映画に感謝を捧ぐ! 「アンナチュラル(2015年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はハンク・バグスタン監督の「アンナチュラル(2015年版)」に  感謝を捧げようと思います。  アラスカの雪山に潜むモンスターに襲撃された  男女の運命を描いた本作は  壮絶なる悪戦苦闘ぶりに心打たれる  モンスター映画であります。  必要最小限の人数&性格設定で構成されたキャラクター  モンスターの姿を抽象化した襲撃シーン  軽量娯楽映画的サービス精神を余すところなく発揮した  ストーリー&演出が軽やかに進行していく光景は  私に、予算・人員・技術的制約の中で奮闘する人々の姿と  異文化交流&遺伝子実験のリスクを世に示す方法の一形態を    目の当たりにする機会をもたらしました。  (良心の勝利を想わせる決着から  「歴史は勝者に都合良く編集される」事を体現する  後日談へと着地する過激作であるという点も見逃せません。)  まさに「小規模映画論&歴史論」の領域に達した  類い希なるモンスターSFであると言えるでしょう。  1本の映画内において  雪山、遺伝子操作、本能の赴くままに進む存在の恐怖が  共存する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。