映画に感謝を捧ぐ! 「妖精たちの森」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマイケル・ウィナー監督の「妖精たちの森」に  感謝を捧げようと思います。  ヘンリー・ジェイムズの小説「ねじの回転」を  もとにして作られた本作は  相反する要素が交錯する    子供映画史上屈指の怪作であります。  サスペンス&ホラー技法とホームドラマ風味  純真さと変態性、文学性と俗物性がせめぎ合いながら  閉ざされた世界で子供心と大人心が混ざり合うことによって  もたらされる悲劇を紡いでいく光景は    私に「童心」に潜む危険要素、生と死&愛と殺意の近似性  陰性リアリズムとファンタジーの平和的共存を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (残酷でありながらも和やかな雰囲気に包まれた幕切れが  ハッピー・エンドや悲劇とは異なる  味わい深さを生み出している点も見逃せません。)  まさに「陰鬱系お伽噺映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  怪奇小説の雄「ねじの回転」  イギリス出身の軽量娯楽監督M・ウィナー  アメリカ映画界が誇る「大いなる怪優」M・ブランドという  異色の組み合わせによって生を受けた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。