映画に感謝を捧ぐ! 「大冒険」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は古澤憲吾監督の「大冒険」に  感謝を捧げようと思います。  紙幣偽装組織の陰謀に巻き込まれた男女3人の  運命を描いた本作は  1960年代の映画界を覆う「スパイ活劇路線」と  東宝の技術力&人情喜劇志向が融合することによって生を受けた    スパイ喜劇であります。  バラエティ番組、ミュージカル、乗り物アクション  「ナチス+007シリーズ」風敵組織、怪獣映画系特撮技術  記録映像を融合させたストーリー、演出、キャラクターが  軽やかに進行していく光景は  私に、活劇と喜劇の近似性、ナチスが映画界に与えた影響  トーキー技とサイレント技の平和的共存、特撮の喜劇的活用法を  同時に堪能する機会をもたらしました。  (スパイ活劇のご都合主義と軍事テクノロジーの発展を皮肉った「決着」と  清々しいまでにアイドル映画的な幕切れによって  ブラック・ユーモアと微笑ましさが融合したかのような  味わいをもたらしている点も見逃せません。)  まさに、007系スパイ活劇の「クレイジー・キャッツ路線」的解釈と  呼びたくなる笑撃作であると言えるでしょう。  後年の「オースティン・パワーズ」シリーズに通じる悪ノリ感と  喜劇芸と映像技術がバランス良く配合された  アクション場面が心地良い本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。