映画に感謝を捧ぐ! 「カリフォルニア ジェンマの復讐の用心棒」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はミケーレ・ルーポ監督の  「カリフォルニア ジェンマの復讐の用心棒」に  感謝を捧げようと思います。  「カリフォルニア」の異名を持つ元南軍兵士の運命を描いた本作は  1970年代の西部劇事情を象徴する  イタリア西部劇の一つであります。  J・ジェンマ主演西部劇ならではの活劇風味と  イタリア西部劇特有のサディズム&エロティシズムを抑制し  戦争が人心&社会に与えるダメージ、道中劇&人情劇の味わい  権力と暴力の複雑な関係に重きを置いた西部劇を作るという試みは  私に、勧善懲悪と癒し系・史劇とホームドラマ  詩情と暴力性の中間に立つ西部劇に接する機会をもたらしました。  (西部劇の王道に即したハッピー・エンドであると同時に  戦争の傷を乗り越えようとする人々の思いを写し出す  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「戦後処理系イタリア西部劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  「イタリア西部劇を日本で売る方法」に忠実な邦題と  様々な大衆娯楽要素を詰め合わせつつも  凶暴性を抑えたストーリー&演出が  暴力渦巻く世界に生きる男たちの宿命と  衰退期に突入した「西部劇文化」を守ろうとする人々の思いを写し出す本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。