映画に感謝を捧ぐ! 「ラン・スルー・ザ・ナイト」

 あけましておめでとうございます。  映画弁護人GHM(西村哲也)です。  2018年最初となる今回は  レナード・ダブリティアロフ監督の「ラン・スルー・ザ・ナイト」に  感謝を捧げようと思います。  恋人を殺され、追われる身となった女性  「サーシャ」の運命を描いた本作は  軽量でありながらも技巧的なロシア製アクション映画であります。  「巻き込まれ映画」の伝統に則した状況に  絵画へのこだわり、回想シーン&時系列操作の多用  スパイ活劇的ハッタリ&どんでん返しを加えることによって  複雑化していくストーリー&演出は  私に、ヒロイン・アクションの醍醐味  単純な追いかけっこを複雑に表現する技法  娯楽映画的権力不信、絵画マニア魂が  一堂に会する光景を目の当たりにする機会をもたらしました。  (「事件発生前日の出来事」で幕を閉じるという  ブラック・ユーモア的手法を駆使している点も見逃せません。)  まさに「時間旅行入り巻き込まれアクション」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  アルバトロス系列特有の「便乗商品的邦題」  L・ベッソン関連作の流れを汲む「ヒロイン+アクション志向」  ロシアがヨーロッパ芸術に対して抱く複雑な思い  「ダヴィンチ・コード」の香り漂う謎解きが炸裂する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。  そして、皆さんに素晴らしき映画との出会いが  訪れることを祈っております。  追伸 今年も「西村哲也の弁護系映画論」を      よろしくお願いします。