映画に感謝を捧ぐ! 「フード」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヤン・シュヴァンクマイエル監督の「フード」に
感謝を捧げようと思います。
「食事」にまつわる3つの物語を描いた本作は
不条理性と野性が混在するアニメーション映画であります。
通常の食事にSF、ホラー、コメディ要素を加えた「朝食」
レストランに対する痛烈な皮肉を放ちつつ
映画史上屈指の雑食ぶりを軽やかに披露した「昼食」
猟奇性と滑稽さが入り乱れる「夕食」が
一堂に会する光景は
私に「食事」の本質に迫る試みと
生物の「野性的欲求」が極限に達することによる
破壊&殺戮の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(経済社会の一端を暗示する無限ループ、自制心なき食欲がもたらす悲劇
性的且つ悪食的なユーモアに溢れた終幕を
披露してくれる作品であるという点も見逃せません。)
まさに「ブラック・ユーモア系食事論」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
軽やかなるアニメーション映像、多彩な軽量娯楽的アイデア
食事&社会に対する観察眼が一体となって生成される
「三度の食事」に圧倒される本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。