映画に感謝を捧ぐ! 「ワン・ナイト・スタンド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマイク・フィギス監督の「ワン・ナイト・スタンド」に  感謝を捧げようと思います。  ロサンゼルスのCM演出家「マックス」とロケット技師「カレン」の  運命を描いた本作は  大胆にしてクールな不倫映画であります。  愛憎渦巻く方向へ進むと見せかけて  穏やかに進行するストーリー  MTV的軽さと上品さが交錯する演出&音楽  「憎まれ役」に依存しないキャラクター造形が一体となる光景は  私に「人生&愛情の複雑さ」を娯楽的に表現する技法と  軽妙さと生真面目さ、背徳的ムードと日常劇的ムードが  共存可能な存在であることを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (不倫映画史上屈指の「奇想天外且つ優しいハッピー・エンド」を  見せてくれる作品であるという点も見逃せません。)  まさに「穏健派不倫映画」の静かなる強豪であると言えるでしょう。  適度のスケール感&スピード感を保つため  時間&人間関係をコントロールする技術&知略  都会生活&男女関係に対する変化球的な目線  渋味の利いた音楽センスに彩られた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。