映画に感謝を捧ぐ! 「マーフィの戦い」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はピーター・イエーツ監督の「マーフィの戦い」に
感謝を捧げようと思います。
マックス・カットーの同名小説をもとにして作られた本作は
戦争映画史上屈指の「暴力的陰鬱さ」を
感じさせる作品であります。
戦争と復讐心に魂を支配された男の情熱&狂気を
活劇的且つ文学的に描いていくストーリー
戦争映画と冒険映画の気質が混ざり合った映像
ヨーロッパ的渋味に溢れた俳優&女優陣が一体となる光景は
私に「戦争」がもたらす精神的被害、被害者と加害者の心理的距離
「正義」を信じる人間特有の悪魔性を
娯楽的&文学的に表現する技法と
イギリス映画気質の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。
(悲劇的でありながらもある種の「解放感」を感じさせる幕切れが
「戦いは悲劇とハッピー・エンドの二択にはなり得ない」事を
示している点も見逃せません。)
まさに「陰性冒険型戦争映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
イギリス映画界の技術力を結集したアクション・シーン&音楽
文学的人間模様、勧善懲悪への警鐘、戦争への怒り
主演男優P・オトゥールの怪しげな紳士性が炸裂する本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。