映画に感謝を捧ぐ! 「36パスオーエス」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督の  「36パスオーエス」に感謝を捧げようと思います。  謎の家で共同生活を送る女性6人の運命を描いた本作は  ホラー映画史上屈指の「破天荒さ」を感じさせる大怪作であります。  監禁系ホラー、ポルノ、日常劇、復讐系アクション映画を  放浪するストーリー&演出  軽量+見世物感溢れる残酷&お色気描写  難解さの極みに挑むかのようなキャラクター造形が  一体となる光景は  私に、アウトロー的な物語に振り回される快感と  ある種の極限に達したエロ&残酷さが放つ  ブラック・ユーモアを満喫する機会をもたらしました。  (時折流れる和やかな音楽  悪の勝利をほのぼのと写し出す幕切れ  純文学級に考えさせられる後日談も見逃せません。)  まさに「悪食系ホラーの迷宮」と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  作劇のルールを気にせず、気の向くままに進むことによって生成された  先読み困難なストーリー展開と  悪食的+俗物的な映像に彩られた映像技に圧倒される本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。