映画に感謝を捧ぐ! 「モヒカン族の最後(1920年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はモーリス・トゥールヌール&クラレンス・ブラウン監督の  「モヒカン族の最後(1920年版)」に感謝を捧げようと思います。  ジェームズ・フェニモア・クーパーの同名小説をもとにして  1920年に作られた本作は  映画史における「モヒカン族の最後系」の幕開けを告げた  記念碑的作品であります。  白人目線を重視したストーリー&活劇系アクションに包まれた  作品世界の中で  白人の文化&勢力争いに翻弄されるネイティブの悲劇が  浮かび上がってくる現象は  私に暇つぶし規模の枠内に  「勧善懲悪、異人種間恋愛の悲劇、アメリカ史の一端」を  詰め込んだ映画が  ヨーロッパ的傲慢さ&白人至上主義に対する  無意識の風刺を放つ光景を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ネイティブだけでなく白人側にも「悪漢」を設定する  配慮が成されている点と  ヒロインを襲う悲劇よりも「モヒカン族」を襲う悲劇のほうが  印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)    まさに「軽量級西部史劇」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。    娯楽的サービス精神を堅持しつつ  「大国に翻弄される小国の悲哀」を間接的に  描写する事が可能であることを示した  歴史遺産的サイレント映画である本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。