映画に感謝を捧ぐ! 「ロスト・パトロール」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヴィンセンテ・フェラッツ監督の「ロスト・パトロール」に  感謝を捧げようと思います。  第2次大戦期のイタリアで展開された  ブラジル軍による地雷除去任務を  もとにして作られた本作は  寒々とした空気に包まれた実話系戦争映画であります。  軍事アクション&反戦メッセージよりも  人間模様に重きを置いたストーリー&演出が  冷徹なまでの静かさで進行する光景は  私に、戦争映画史上屈指の「陰鬱系スリル&サスペンス」と  組織から引き離されながらも「任務」にしがみつく心理を  娯楽的に表現する技法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドに属しつつも  大国に翻弄される小国の悲哀と  アメリカ映画的ハッピー・エンドに対する静かなる疑念を  宿す幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「文学道中系戦争映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  物質&肉体的ダメージよりも精神面を重視する精神と  西側大国同士の争いに巻き込まれたブラジルへの思いに彩られた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。