映画に感謝を捧ぐ! 「雀(1926年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウィリアム・ボーディン監督の「雀(1926年版)」に  感謝を捧げようと思います。  悪の巣窟と化した託児所で暮らす  子供たちの運命を描いた本作は  様々な魅力が混ざり合ったサイレント活劇であります。  怪奇映画、宗教映画、冒険活劇風味が融合した  ストーリー&演出  主演女優M・ピックフォードのヒロイン力  庶民的ムード漂う悪漢&子供たちが一体となる光景は  私にアメリカ映画における「キリスト教」の影響力と  怪奇恐怖と活劇的スリルが混ざり合うことによって生じる  科学反応を目の当たりにする機会をもたらしました。  (ホームドラマと恋愛映画のハッピー・エンドが  バランス良く配合された幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「宗教系脱走劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  スター主義&見せ場主義を徹底追求しつつ  宗教的神秘性を生成し  物語を軽やかに進行させることによって  活劇的ご都合主義&設定的違和感を覆い隠す手法で  後年の冒険映画、脱走映画、子供映画に対する  「道しるべ」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。