映画に感謝を捧ぐ! 「ツイン・フォールズ・アイダホ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマイケル・ポーリッシュ監督・主演の
「ツイン・フォールズ・アイダホ」に感謝を捧げようと思います。
シャム双生児の兄弟「フランシス&ブレイク・フォールズ」と
娼婦「ペニー」の運命を描いた本作は
怪奇と文学の香り漂う恋愛悲劇であります。
「見世物」的な方向に進みやすいキャラクター造形が
状況説明描写&台詞に依存せず
「映像で語る」ことに重きを置いた作劇法
サスペンス&ホラー的暗さと日常劇の穏やかさが交錯する演出法
ポーリッシュ兄弟&M・ヒックスの静かなる熱演によって
純文学&社会派の香り漂う恋愛悲劇へと向かう光景は
私に「鑑賞者の想像力を刺激する」映画の醍醐味と
映像とストーリーの理想的結婚の形を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(哀愁と希望が絶妙のバランスで配合し
人生が「ハッピー・エンドと悲劇の二択」ではないことを
静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「純文学系恋愛悲劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
ホラー映画とは一味違う「社会的怪奇恐怖」
美しさと危うさがせめぎ合うロマンス
特異な身体的特徴ゆえに世界から阻害された男2人と
虚飾に包まれた世界で孤独な日々を生きる女性の生き様を
「悲劇性の誇張」による感動誘発に依存する事なく描いていく
勇気&生真面目さに彩られた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。