映画に感謝を捧ぐ! 「ツイン・フォールズ・アイダホ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマイケル・ポーリッシュ監督・主演の  「ツイン・フォールズ・アイダホ」に感謝を捧げようと思います。
ツイン・フォールズ・アイダホ [DVD]
エムスリイエンタテインメント
2001-01-25

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シャム双生児の兄弟「フランシス&ブレイク・フォールズ」と  娼婦「ペニー」の運命を描いた本作は  怪奇と文学の香り漂う恋愛悲劇であります。  「見世物」的な方向に進みやすいキャラクター造形が  状況説明描写&台詞に依存せず  「映像で語る」ことに重きを置いた作劇法  サスペンス&ホラー的暗さと日常劇の穏やかさが交錯する演出法  ポーリッシュ兄弟&M・ヒックスの静かなる熱演によって  純文学&社会派の香り漂う恋愛悲劇へと向かう光景は  私に「鑑賞者の想像力を刺激する」映画の醍醐味と  映像とストーリーの理想的結婚の形を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (哀愁と希望が絶妙のバランスで配合し  人生が「ハッピー・エンドと悲劇の二択」ではないことを  静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「純文学系恋愛悲劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  ホラー映画とは一味違う「社会的怪奇恐怖」  美しさと危うさがせめぎ合うロマンス  特異な身体的特徴ゆえに世界から阻害された男2人と  虚飾に包まれた世界で孤独な日々を生きる女性の生き様を  「悲劇性の誇張」による感動誘発に依存する事なく描いていく  勇気&生真面目さに彩られた本作と    生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。