映画に感謝を捧ぐ! 「スターダスト・メモリー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はウディ・アレン監督の「スターダスト・メモリー」に  感謝を捧げようと思います。  喜劇系映画監督「サンディ・ベイツ」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  内なる宇宙と渋いユーモアに彩られた  舞台裏喜劇であります。  W・アレン監督の内面、ラブストーリー&コメディ技法  ヨーロッパ映画的不条理性  白黒映像の持つ渋味、映画業界の内幕が  絶妙のバランスで絡み合いながら進行するストーリー&演出は  私に「映画的自画像作り」・「日常と非日常の奇妙な関係」  「人気商売の宿命」・「芸術性と人間性のせめぎ合い」  「他者の生き様&思想を覗き見る快感」の一形態を    目の当たりにする機会をもたらしました。  (「過去のW・アレン監督作を自らの脚本によって皮肉る」という  大胆な実験が成されている点と  「ハッピー・エンド」の偉大さ&虚しさと  創作に生きる人間の「孤独」を静かに写し出す  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「喜劇系W・アレン監督&映画業界講座」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  喜劇人の秘めたる苦悩、大衆の「リアリズム」に対する複雑な思い  「成功」に潜む危険要素に踏み込みつつ  ロマンスとユーモア精神を失わない姿に心打たれる本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。