映画に感謝を捧ぐ! 「アイアンクロス ヒトラー親衛隊<<SS>>装甲師団」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアレッサンドロ・ペペ監督の  「アイアンクロス ヒトラー親衛隊<>装甲師団」に  感謝を捧げようと思います。  ドイツ軍第1装甲師団に属する兵士「ルードヴィヒ・ヘルケル」の  運命を描いた本作は  実験精神と冷徹さに彩られた戦争映画であります。  アメリカ&ヨーロッパ製戦争映画の大多数において  「悪」として描かれてきたドイツ軍の目線に立つという発想と  戦争を題材としながらも淡々と進行するストーリー&戦闘描写が  一体となる光景は  私に「戦争がもたらす思考停止」・「勝てば官軍主義の功罪」  「戦いが日常化した世界」を映画的に表現する手法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (鑑賞者を突き放すかのような気配を放つ幕切れが  戦時と平時を隔てる「精神的壁」を体現している点も  見逃せません。)    まさに「無機質系戦争映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  娯楽的サービスを極限まで抑制したクールな作風&キャラクター造形によって  戦争における人命の軽さ、人間性の無意味さ  正義心の儚さ&虚しさを写し出す本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。