映画に感謝を捧ぐ! 「トゥルー・クライム」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクリント・イーストウッド監督・主演の「トゥルー・クライム」に
感謝を捧げようと思います。
アンドリュー・クラヴァンの小説「真夜中の死線」を
もとにして作られた本作は
苦味と技巧が絶妙のバランスで配合された
犯罪サスペンスであります。
男2人の運命を交互に描いていく手法
サスペンス系映像技法
主演男優C・イーストウッドの生き様
アメリカが長きにわたって抱え続ける課題の数々が
融合することによって生成されたストーリー&演出が
娯楽的且つ文学的に進行する光景は
私に「物語の加速化によって生じるご都合主義臭を緩和する」
「状況説明の過剰化を防ぐ」
「娯楽的盛り上げを抑制しつつ、スリル&サスペンスを保つ」
テクニックの一端と
「イメージ支配の恐怖」・「アメリカの犯罪捜査事情」を
映画的に表現する技法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「万事解決のハッピー・エンド」に背を向けて
渋味の利いた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「巻き込まれ+探偵系サスペンス」の雄と
呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
唯一の才能によって「堕落した人生」からの脱却を図ろうとする事件記者と
「絶望の底なし沼」に陥り、死を間近としながらも
心の奥底で「真実による救済」を信じる死刑囚の物語が
クール且つ人情味のあるスリル&サスペンスを醸し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。