映画に感謝を捧ぐ! 「生きるべきか死ぬべきか」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はエルンスト・ルビッチ監督の「生きるべきか死ぬべきか」に    感謝を捧げようと思います。  1939年のワルシャワで暮らす劇団員たちの運命を描いた本作は    戦争映画史上屈指の「喜劇力」に満ちた作品であります。  知力、体力、演技力の限りを尽くして  祖国を侵略するドイツ軍に立ち向かう人々の奮闘を  ドタバタ喜劇とスパイ活劇を融合させながら写し出す  ストーリー&演出が軽妙且つ上品に進行する光景は  私に、強敵との戦いにおける「ユーモア」の重要性  人生&歴史の喜劇性、スリル&サスペンスと笑いの均整を保つ技法の  一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。  (スパイ活劇的ハッピー・エンドと見せかけて  喜劇的幕切れへと向かうという  奇襲技を駆使した作品であるという点も見逃せません。)  まさに「喜劇系スパイ活劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  1940年代において「ナチス」を笑い所にする大胆さと  陰謀&戦火渦巻くヨーロッパ情勢を喜劇的&人情劇的に加工する技術力によって  頭脳戦の醍醐味、ラブ・コメディ風味、勧善懲悪の爽快感  時代に翻弄される人々の哀愁を兼ね備えた作品となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。