映画に感謝を捧ぐ! 「デッドハング」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマレク・アッカド監督の「デッドハング」に
感謝を捧げようと思います。
深夜のオフィスビルで殺し屋の標的となった女性
「ジェーン」の運命を描いた本作は
過酷な状況に挑む姿に心打たれるアクション映画であります。
ビジネスウーマンでありながら「武術系」に属するヒロインと
戦力&チームワークに恵まれない悪漢の対決を
「戦場の大半がエレベーター周辺」という過酷な設定で描くという
難技に挑んだスタッフ陣の奮闘ぶりは
私に「ダイ・ハード」が映画界に与えた影響
穏便な解決を求めることによって「殺戮」を生成するという悲劇
アクション映画的ご都合主義を覆い隠すことの難しさ
企業戦士の悲哀の一端を目の当たりにする機会をもたらしました。
(巨悪との決着よりも「愛」を重視した幕切れが
ある種の幸福論となっている点も見逃せません。)
まさに「空間限定系巻き込まれ映画」史上屈指の過酷さと
節約精神を兼ね備えた作品であると言えるでしょう。
事なかれ主義、際限なき金銭欲、単細胞的暴力が
もたらした悲劇を
最小限の時間、空間、状況説明で描くことに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。