映画に感謝を捧ぐ! 「ミイラ再生」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカール・フロイント監督の「ミイラ再生」に  感謝を捧げようと思います。  謎の男「アーデス・ベイ」と彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  残酷と哀愁に彩られたホラー映画であります。  特殊効果を駆使した人体破壊&流血に依存せず  純愛&信仰心がもたらす残虐性と悲しみ  主演男優B・カーロフの顔力  神秘性とお色気を兼ね備えた装飾によって  怪奇恐怖を生成しようという試みは  私にエジプト文化の映画的活用法と  探求心&愛情の暗黒面をホラー的に表現する手法の一端と  怪奇映画における「見世物性と物語性のバランス」と  段階的に「真相」へと導いていく作劇法の重要性を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (生還+恋愛系のハッピー・エンドと  成仏によるハッピー・エンドが並び立つ  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさ映画界における「ミイラ系ホラー」の  大いなる一歩と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。     量産型怪奇映画の枠内で  アトラクション的恐怖、神秘性、悲恋  観光旅行気分を共存させる事が可能であることを  世に示した本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。