映画に感謝を捧ぐ! 「トリュフォーの思春期」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はフランソワ・トリュフォー監督の「トリュフォーの思春期」に  感謝を捧げようと思います。  フランスの真ん中に位置する町「ティエール」に住む  人々の日常を描いた本作は  和やかにして技巧的な日常劇であります。  膨大な登場人物&情報量を細切れ的に扱いながらも  シリアスとユーモア、大人目線と子供目線の均整を保ち  軽妙且つ生真面目に進行するストーリー&演出は  私に「日常生活のドラマ&コメディ性」・「世代間交流」  「人生の通過儀礼」・「物語的情報バランスの維持法」を  映画的に表現する手法の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ラブ・コメディ風味でありながらも  仲間たちの変化球的な友情に心打たれる幕切れと  なっている点も見逃せません。)  まさに「日常系子供映画」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  絶妙の作劇的バランス感覚、子供に対する優しくも鋭い目線  硬軟入り交じったユーモア精神  ティエールとそこに住む人々の持ち味を  最大限に生かした映像技によって生を受けた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。